県連トピックス

2026ピースアクションinナガサキの開催報告について

 2026年8月7日(金)~8日(土)の2日間にわたり、長崎市民会館を中心とした3会場で、「被爆・戦後80年を越えて平和とよりよい生活のために ~ナガサキから「戦争も核兵器もない平和な世界」の実現を!!~」をテーマに2026ピースアクションinナガサキを開催しました。

 今年は、世界情勢が大きく変化する中、改めて平和の尊さに想いを馳せ、「81年前のきのこ雲の下の出来事」「被爆地ナガサキの想い」を継承・交流し、未来をつくる次世代が平和な世界でくらせるよう、私たち一人ひとりの行動につなげることを目的として、様々な企画を開催しました。

 オンライン開催による「子ども平和会議」、東京大学大学院渡邉英徳研究室による「ミライの平和活動」、「デジタルアーカイブ体験会」の開催、被爆証言者の城臺美禰子さんによる「被爆の証言」、「室内碑めぐり」の開催、被爆証言者の三田村静子さんと交流証言者の高橋公子さんによる「平和の紙芝居」や「交流証言活動の報告」などが開催されました。また、はじめての企画として、RECNAの西山心さんによる「被爆体験継承の体験型企画」やRECNAの中村桂子准教授による「核なき未来をめざして」や「模擬国際会議」などが開催されました。

 虹のひろばでは、日本被団協代表委員の田中熙巳さんをお招きして自らの「被爆の実相」や「平和活動の歴史」、「これからの平和活動について」など非常に貴重なお話がありました。

 全体で10企画の分科会と虹のひろばを開催し、県内外含め、37生協・延べ人数1,474人(オンライン視聴含む)の参加者がありました。

【8月2日(日)】

ファシリテーターの活水高校の皆さん

〈1〉子ども平和会議/調仁美さん・活水高校平和学習部

◆14:00~16:00

会  場:活水高校 図書室

参加者:10生協・32人
(司会)ララコープ/新山理事

 最初に学習講演として講師のピースバトン代表の調仁美さんより、「戦争と原子爆弾」や「非核三原則」についてお話がありました。とくに、東京大空襲での死者数(10万5400人)や沖縄陸上戦では、県民の約4割(20万人)が犠牲になったこと、そして広島(リトルボーイ)と長崎(ファットマン)に落とされた原爆について説明がありました。その後、5グループに分かれて、活水高校平和学習部の生徒5名がグループの進行役に入り、調さんの説明を聞いての感想、今後どうすれば戦争がなくなる世界になるかなどの意見交流をしました。

 参加した子どもたちからは、「戦争は決してしてはいけない」、「平和な未来を見据えた活動をしなければいけない」といった感想が寄せられました。子どもながらにも、平和について生懸命に考え、意見を述べるのを見て、次世代への期待が持てる分科会となりました。

【8月7日(金)】

熱心に聞き入る参加者

〈2〉ミライの平和活動(N1)/東京大学大学院渡邉研究室

◆13:20~14:40

会  場:長崎被災協地下1階講堂

参加者:5生協・17人
(司会)ララコープ/篠﨑副会長

 東京大学大学院 渡邉英徳研究室の研究院生の森吉蓉子さんと、永井隆記念館 館長 永井徳三郎さんが講師を務め、渡邉教授はオンラインで参加をされました。証言者の活動や思いをデータで蓄積する「語り部のアーカイブ」の紹介や、電子マップ上に被爆者の氏名、顔写真と被爆の状況などがクリックすると情報にアクセスできる電子マップの紹介等がありました。

 また、永井隆記念館館長で孫にあたる永井徳三郎さんより、永井博士の生前の様子について講話がありました。白黒写真をカラー化する技術使って、永井博士と、如己堂のカラー写真を実際に見ることができました。

 参加された方から、「東京から参加しました、戦争などの記録を深められて、とてもよい取り組みだと思います。」「自分達の目で見て、感じたこと、思ったことを子ども達に伝えていきたい」等々の意見が出されました。

会場の参加者

〈3〉デジタルアーカイブ体験会(N2)/東京大学大学院渡邉研究室

◆15:30~16:50

会  場:長崎被災協地下1階講堂

参加者:7生協・27人
(司会)ララコープ/波戸理事

 講師として東京大学大学院 渡邊研究室の村山美那子さん、グチエガルギ(ジジ)さんが務められました。開催テーマとしては、ニュースのヘッドラインから心の琴線へ~共感を育み精神的な重苦しさを軽減するためにゲーム要素を取り入れた平和教育ワークショップ~をテーマとして進められました。

 心が自分を守ろうとする「防衛反応」世界中のショッキングな映像や痛ましいニュースなど悲劇が多すぎて心が追いつかない。今回のワークショップは人類のパッションに触れることで平和を再確認できる内容でした。

 各チーム多くの意見、議論が交わされ、グループワークを通してあらためて平和の尊さを再確認できる内容でした。

被爆証言者の城臺美禰子さん

〈4〉被爆の証言(N3)/城臺美禰子さん

◆13:20~14:40

会  場:長崎市民会館6階第7・8会議会議室

参加者:10生協・54人
(司会)グリーンコープ生協(長崎)/樋上理事

 八木道子さんの体調不良により、急遽、城臺美禰子さんの講師をお願いし、被爆の証言が行われました。

 なぜ被爆について語り始めたのかということに対しては、お孫さんに障がい症状があったり病気で早世されたことに大きな絶望を感じ外出もできなくなったそうです。その後誘われた被爆者の語りに心動かされご自身も参加されるようになり続けられているそうです。

 手作りの資料を駆使された説明があり、被爆当時に腹痛のふりをした絵、戦意高揚の曲を流し歌詞の意味を考える、地図からなぜご自分が助かったのか説明する、防空頭巾をかぶり、肩掛けかばんを下げ空襲警報を鳴らし当日の様子を想像しました。また、歴史的な背景や科学的な情報を網羅しながら、平和があたりまえでないことを実感してもらい、それぞれ自分自身で考えを深めてもらう分科会でした。

 参加者からは、城臺さんの熱い思いをお聞きし、平和に対する想いが強くなったとの感想がありました。

会場の参加者

〈5〉室内碑めぐり(N4)/城臺美禰子さん

◆15:30~16:50

会  場:長崎市民会館6階第7・8会議会議室

参加者:11生協・60人
(司会)ララコープ/松井理事

 前企画の「被爆の証言」に引き続き、城臺美禰子さんにご講演を頂きました。続けて参加されている方も多くいらっしゃいましたが、はじめに、「私は怒っています。被爆者の怒りを力に変えるために活動しています」と言われました。被爆後には「人間」として接してもらえなかったこと、今戦争が起こったら食料も石油も何もなくなり生きられないこと、生き延びても多くの人が後遺症に苦しんだことについて語られ、政権に厳しい目を向け、この場に参加していない人に伝えて欲しいと言われました。

 様々な写真や絵などを丁寧に解説していただき、それぞれの資料の背景がよく分かりました。惨禍の様子や生き残った人の苦しみがあふれている「松尾あつゆき句集」には胸が締め付けられる想いでした。

 最後に、被団協がノーベル賞を受賞したのはこれまでの功績だけではなく、世界中にはまだまだ知らない人も多いからこそだと言われました。今の核兵器の数や威力についても繰り返し触れられ、戦争は一度始まったら終わらない、という想いを持って、伝えていくことの意義を改めて感じました。

模擬国際会議の様子

〈6〉核なき未来をめざして(N5)/RECNA 中村桂子准教授

◆13:20~16:10

会  場:長崎県建設総合会館8階大会議室

参加者:13生協・52人
(司会)ララコープ/玉城副会長

①模擬国際会議

 長崎大学核兵器廃絶研究センター(RECNA)の中村桂子准教授を議長に迎え、仮想世界の7か国(各生協の代表者)による模擬国際会議を行いました。会議では、国同士の対立が続き、このままでは核兵器によって世界が滅びる恐れがあるという仮想の状況を設定し、「戦争を防ぎ、より平和で安全な世界をつくるためには、どうすればよいのか」をテーマに、各国の立場から議論を行いました。各国から活発な質疑や意見が出され、議論が深まりました。最後に、テーマに対する各国からの提案を受け、すべての提案に対して採決を行いました。登壇したメンバーからは、「他国の立場に立って、戦争や核兵器をなくすために何ができるのかを考えることができ、とても勉強になりました」との感想が出されました。

 また、参加者からは、「日本の立場だけでなく、他国の立場に立って核兵器廃絶について考えることの大切さを学んだ」との声が寄せられました。

中村桂子准教授による学習講演

②学習講演会「核なき未来をめざして」

 中村桂子准教授を講師に、「核なき未来をめざして」をテーマとした学習講演会を行ないました。

 講演では、「核のタブー」や、世界で核軍拡が進んでいる現状などについて解説されました。そのうえで、「核兵器のある世界」は、社会的弱者の犠牲の上にしか成り立たないことを指摘されました。私たち一人ひとりには、今の世界を変え、核兵器のない平和な世界を実現していく力があると語られ、「核兵器廃絶に向けて希望を失う必要はない」と力強く訴えられました。参加者からは、「核兵器廃絶に向けて、あらためて考える機会となり、とても良かった」との感想が寄せられました。

平和のまち歩きをする参加者

〈7〉平和のまち歩き(N6・N7)/平和公園コース、浦上天主堂コース
ガイド役は長崎のピースボランティア(高校生・大学生)10人・
平和 ガイド石畳の会 7人

◆17:30~18:40

集合場所:爆心地公園

参加者:平和公園コース(10生協・60人)、
浦上天主堂コース(9生協・41人)合計:101人

 平和公園内をめぐるコースと浦上天主堂までを巡るコースの2つに分かれて、長崎平和推進協会のピースボランティアの学生10人と平和案内人の7人がガイドをつとめ爆心地周辺や浦上天主堂の被爆遺構を巡りました。 今年も看護師さん2名に救護係をお願いしました。

 当日の天候は、集合前に降雨があり心配されましたが、集合時にはほとんど降雨もなく、曇り空で比較的過ごしやすい天候でしたので無事に平和のまち歩きを実施することができました。

 参加者の皆さんは、県外からの参加もあり、ガイドやピースボランティアの説明に耳を傾け、多数の質問が出され、また、大人だけでなく、子どもの参加もあることから、時間帯など丁度良い時間設定との声も上がっておりました。

【8月8日(土)】

RECNA 西山心さん

〈8〉被爆体験継承の体験型企画(N8)/RECNA 西山心さん

◆10:00~11:20

会  場:長崎市民会館6階第7・8会議会議室

参加者:20生協・94人
(司会)ララコープ/春田会長

 長崎大学核兵器廃絶研究センター(RECNA)の西山心客員研究員を講師に迎え、講話とグループワークを通じて、平和を自分ごととして捉え考える学習を行いました。被爆70年頃までは「被爆の記憶を風化させない」が中心だったが、被爆者の高齢化が進む現在は、記憶を次世代へ受け渡す「継承」が重要な課題となっている、事実や数字だけでなく、被爆者一人ひとりの思いや生活の営みを理解し伝えていく必要性が語られました。参加者からの声としては、西山心さんの平和に対する想いやそれに対しての教育、活動が素晴らしかったことや、グループワークで初対面の方ばかりだったけど意見が出しやすい内容だったので緊張せずに取り組めました。皆さんの大事なものに対して共感したり、なるほどと思ったり、楽しい時間になりました。長崎に初めて来たが、西山さんのような若く素晴らしい方が平和活動をされていることに尊敬すると共に、私にできることを考えるきっかけにもなりましたという、声も出されました。

〈9〉被爆の証言(平和の紙芝居)/三田村静子さん・高橋公子さん

◆10:00~11:30

会  場:長崎件建設総合会館8階大会議室

参加者:7生協・43人
(司会)グリーンコープ生協(長崎)/中山理事

 はじめに、三田村静子さんから、戦争の歴史や原爆の威力と人体への影響について説明がありました。その後、ご家族やご自身の被爆体験、さらに生協とともに40年間にわたり取り組んできた平和活動についてお話しいただきました。

 続いて、高橋公子さんから、地元・大分県の戦争の歴史や、三田村静子さんとの出会いをきっかけに「交流証言」の活動を始めた経緯についてお話しいただきました。

 また、三田村静子さん自身の被爆体験を題材にした平和の紙芝居「原爆と共に生きて」を朗読し、三田村さんが40年間にわたって平和活動に取り組んできた思いと、その活動を受け継ぐことの大切さについて語りました。最後に三田村静子さんが平和の紙芝居「お母さんを焼いた運動場」を朗読し、講演を終了しました。

 
ご自身の被爆体験をもとに
平和の大切さを訴える
三田村静子さん
三田村静子さんの
平和の紙芝居を
朗読する高橋公子さん

〈10〉虹のひろば

◆13:00~15:10

会  場:長崎市民会館文化ホール

参加者:35生協・994人 ライブ配信(8/8~8/9)423人視聴含む
(司会)NHK長崎放送局/古田沙織さん

日本生協連 嶋田副会長

①主催者代表挨拶 日本生活協同組合連合会 嶋田 裕之 副会長

  • 7月28日に発生した「令和8年熊本地震」に関するお言葉があり、生協としても今後、支援していくことの報告がありました。
  • 2026ピースアクションinナガサキは「被爆・戦後80年を越えて平和とよりよい生活のために~ナガサキから「戦争も核兵器もない平和な世界」の実現を!!~」をテーマとして様々な企画が開催されています。平和活動を通じて戦争や被爆の実相を学び、広げ、次世代につなげていくことが必要と、挨拶されました。
鈴木史朗 長崎市長

②来賓挨拶 鈴木 史朗 長崎市長

  • はじめに7月28日に発生した「令和8年熊本地震」に関するお言葉がありました。長崎市としても出来る限りの支援をしていくことのご報告がありました。
  • 昨今の非常に厳しい世界情勢に対しては、市民社会レベルでの様々な取組みや行動が求められており、生協の取り組みでもあるこのピースアクションが平和活動として大きく期待していることや世界を動かす大きな力になっていくことなど次世代への継承と、活動をつないでいくことの大切さが語られました。最後に、若者による平和の活動報告もあり、次世代につなげる意味でも大切な企画だと認識しているとご挨拶されました。
松井一實 広島市長

③来賓挨拶(オンライン)松井 一實 広島市長

  • 開催への感謝の言葉とともに、核兵器廃絶に向けた国際的な機運の高まりが紹介されました。一方で、世界情勢の不安定さから核使用への懸念が高まっている現状にも触れられました。
  • 被爆国としての役割の重要性が語られ、「核の傘」からの脱却と「核兵器廃絶」を目指すことが最も大事で、市民レベルでの輪を広げていくことが大切であるとご挨拶されました。
鶴鳴高校 龍踊部

④オープニング 鶴鳴高校 龍踊部

  • 鶴鳴高校の龍踊部による龍踊が披露されました。ステージのサイドからとバックからの登場で会場からは大きな拍手がありました。
  • 参加者からは、躍動感あふれる素晴らしい演技で、二体の龍が大きく動く様子でとても感動しました。高校生の演技とはとても思われない、すばらしい龍踊を観ることができましたとの声が寄せられました。
日本被団協 田中熙巳さん

⑤講演 日本被団協代表委員 田中 熙巳さん

  • はじめに、ご自身の被爆体験を語られました。当時の爆心地の周辺は真っ黒い焼の原で何にもなかったことを記憶しているとのことでした。また、生協運動に参加された経験や生協のすばらしさについてもお話をいただきました。
  • 核兵器は単なる戦争で使用する兵器ではなく、1発の爆弾で何十万人もの命を奪う「悪魔の道具」であるし、この世にあってはならない物である、と語られました。
  • 生協が持つ「人と人とのつながり」や「助け合い」の大切さを語ってくださったことは私たち生協の役職員にとって大きな励みになりました。
ナガサキ・ユース代表団

⑥ナガサキ・ユース代表団 NPT再検討会議 参加報告

  • はじめに「ナガサキ・ユース代表団」とは、長崎県、長崎市、長崎大学の3者で構成された「核兵器廃絶長崎連絡協議会」が主催する人材育成プロジェクトです。2013年から、核軍縮・不拡散問題に関する国際会議への参加とその事前事後の活動を通じて、次世代を担う長崎の若者が、最新の国際情勢を学び、この分野で活躍する世界の人々と出会い、知識を行動に結びつける力を養うことを目指しています。
  • NPT再検討会議へは4月下旬から5月にかけて1週間現地に行き、NPT再検討会議の傍聴やサイドイベントなど様々な活動を行ったことの報告がありました。
高校生平和大使の皆さん

⑦高校生平和大使  活動報告

  • 第29代高校生平和大使と高校生1万人署名活動実行委員会メンバーの7名が登壇しました。1998年に長崎からスタートした高校生平和大使は、スローガンである、「微力だけど、無力ではない」を掲げ、その言葉通り、核廃絶の地道な署名活動(280万筆)、小中学生を対象にした平和学習など、多岐にわたり活動を続けていると述べられました。
  • 最後に、次の世代へ平和の大切さを継承して行きたい、若者の力を発揮したいと力強く決意表明されました。
子ども平和会議議長

⑧子ども平和会議アピール文発表 活水高校平和学習部

  • 子ども平和会議の参加メンバーを代表して、議長2名がアピール文を発表しました。 被爆・戦後81年を迎え、講師の調さんの話を聞き、多くの気付きや学びがあったと報告されました。
  • 参加者から「生きて帰ってきてね」という言葉は絶対に使用してはいけないと聞き、とても驚きました。戦争とは死にに行くことだということを知り、とても怖い気持ちになったとのお声がありました。

⑨フィナーレ 長崎南山小学校コーラス部

  • 子ども達50人と卒業生13人の総勢63人による心のこもった合唱となり、「世界がひとつになるまで」、「ツバメ」、「祈り」の3曲が披露されました。
  • 長崎南山小学校コーラス部として、恒久平和への願いや創立32周年に対する感謝のメッセージが披露され、会場から大きな拍手が送られました。とてもすばらしいフィナーレとなりました。
長崎南山小学校 コーラス部
ララコープの原爆パネル展示

⑩会場での企画

  • 今年は受付ロビーの奥にララコープが所有している原爆パネルを設置して虹のひろばに参加された多くの方々へ、被爆の実相を伝えました。

以上

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