県連トピックス

長崎県生活協同組合連合会の役員研修についての開催報告

 9月26日(木)~27日(金)の日程で長崎県生協連の役員研修に行って来ました。この研修は、生協活動を行っていくうえで次に生かせる施設の見学・学習と会員生協間の交流を目的に2年に一度開催をしています。

 今回は、会員生協より6生協7名、事務局2名を含め、合計9名での参加で実施しました。1日目に鹿児島の知覧特攻平和会館と富屋食堂資料館を見学し、戦争の悲惨さと平和の尊さ、そしてそれを支えた方々の苦労について学び、2日目は、維新ふるさと館と仙厳園・尚古集成館の見学を行い、西郷隆盛や大久保利通など近代日本の原動力となった鹿児島の歴史や偉人について学びました。

●日程・行程内容

<9月26日(木)>

1.知覧特攻平和会館 12時40分~14時10分

第二次世界大戦末期の沖縄戦において特攻という人類史上類のない作戦で、爆装した飛行機もろとも敵艦に体当たり攻撃をした陸軍特別攻撃隊員の遺品や関係書類を展示している施設です。特攻に行かれた若者の気持ちを察すると、お国のためとはいえども、「家族」、「恋人」含め、守るべき人はたくさんいるわけですし、これからまだまだ未来があり、楽しい人生が待っていたのかもしれないのに本当に無念であっただろうなと想像が出来ます。また、この方たちがいたからこそ、今の平和があるのではないかとも感じました。二度と戦争は繰り返してはいけない、その思いをより強くしました。

2.周辺の戦跡めぐり 14時10分~15時10分

平和のガイドさんから説明をしていただいながら、平和会館周辺の戦跡めぐりを行いました。爆弾弾薬庫、油脂庫、飛行場正門跡、給水塔、防火水槽、着陸訓練施設、なでしこ隊見送りの地、三角兵舎跡、その他石碑など60分間の時間帯で歩いて回り詳しく説明していただき、当時の施設の状況や特攻に行く方々の生活の様子が伺えました。中でも印象に残っているのが、特攻の出発前に泊ったという三角兵舎です。当時、ここに宿泊し、どのような思いで両親、兄弟あるいは恋人に対して手紙を書いたり、特攻に挑む気持ちだったのかを考えると、今の私たちには到底出来ないことですし、本当に平和で良かったと実感しました。

3.ホタル館 富屋食堂 15時20分~15時50分

鳥濱トメさんのお孫さん(館長)より講和をいただきました。富屋食堂は特攻の母として慕われた「鳥濱トメさん」の食堂です。特攻に向かう少年たちに少しでも好きなもの、美味しいものを食べさせてあげたいという想いで食事をふるまい、特攻の若者たちに寄り添った支援を行っていたそうです。そのことでどれだけ特攻に行く若者たちの心が救われたか計り知れないと思いました。今でいうボランティア活動の原点ではないかと思います。鳥濱トメさんの心優しい人間性と犠牲心を心から感じることが出来ました。

<9月27日(金)>

4.維新ふるさと館 10時~11時15分

維新を支えた鹿児島県出身の偉人が歩んできた歴史、功績について紹介をしている施設でする。比較的新しい施設でもあります。最初に西郷隆盛、大久保利通、島津斉彬、小松帯刀などが登場し、「維新への道」というタイトルでドラマ仕立てになっているシアターを視聴しました。内容は、幕末から明治にかけての薩摩の歴史の流れを音や光、ロボットなだ多彩な演出で解説するものです。ドラマ仕立て(ストーリー)なので、わかりやすく、日本の夜明け(明治維新)を作ってきた薩摩出身の偉人たちの活躍、功績、歴史を学ぶことが出来ました。非常に興味深い内容でした。その後、各々で展示品などを見学して回り、より深く知ることが出来ました。

5.仙厳園・尚古集成館 12時40分~13時40分

万治元年(1658年)に島津家19代光久によって築かれた島津家の別邸です。雄大な桜島を築山、錦江湾を池に見立てたスケールの大きい庭園に、まずそれに圧倒されました。28代斉彬もこよなく愛し、篤姫など多くの人を魅了した地でもあります。そして、ガス灯の実験に使用された鶴灯籠や、全国でも珍しい猫を祭った猫神、江戸時代の正門である錫門(すずもん)など、見所が満載で非常に立派な施設でした。庭園の後方には桜島がきれいに見え、当時の偉人たちは、ここで寛いでいたのではないかとも感じました。仙厳園が位置する磯エリア―帯は、「明治日本の産業革命遺産」として世界文化遺産にも登録されており、日本の近代化を推し進めた薩摩の人々の偉大さを感じ取ることが出来ました。

●研修を終えてのまとめ

2日間の行程で研修を計画しましたが、どの施設も興味深く、またガイドさんの説明がわかりやすく、非常に中身の濃い役員研修になったのではないかと考えます。特に、初日に回った知覧特攻平和会館については、来年が被爆80年を迎えるにあたり、当時の状況や特攻に行かれた若者たちの思いなど、平和活動を企画するうえで参考になるのではないかと思います。

 

以上

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