県連トピックス
沖縄戦跡・基地巡りに長崎県立大学佐世保校の2人を派遣しました。
第35回沖縄跡地・基地めぐり報告書
長崎県生協連 河野 佑輔
〈主なスケジュール〉
- 1日目:ホテルでの戦争体験談の講話・懇親会
- 2日目:普天間基地・辺野古・瀬嵩の浜・道の駅かでな・安保の見える丘
- 3日目:平和の礎・県立平和祈念資料館・糸数壕
〈感想〉
1日目:この日は午後からの学習で、3人の方から沖縄戦について話を聞いた。1人目の横田眞利子さんは沖縄の歴史・特徴や米軍の意図的な戦略についてなど教科書には書かれていないような内容まで話された。2人目の会沢芽美さんは沖縄に移住され、当時を再現した劇中にところどころ戦争にちなんだ歌を挿入し、子供にもわかるように表現されていた。3人目の平良啓子さんは実際に対馬丸事件の実体験者であって。私は対馬丸事件については全く知らず、それでも平良さんは順を追って誰にでもイメージしやすいように当時の状況を物語っていた。漂流中の彼女だけしか体験したことのない、死と隣り合わせの6日間や今でも当時のことを鮮明に覚えており、戦争に対する憤りなど、やはり実体験者からの講話が1番心に響いてくる。懇親会では各都道府県の生協関係者などと会話をする機会があり、他の生協の活動などを知った。
沖縄の歴史。米軍の意図的な戦略を話す横田さん |
子どもにもわかりやすく話す会沢さん |
対馬丸事件の實体験者平良さん |
参加者との交流 |
2日目:この日は朝からバスに乗って普天間基地を見学しに行った。丘から基地を見学したが、オスプレイは目視できたものの、飛行しているところを見ることはできなかったのが残念だった。しかしバスへの帰り道に戦闘機が上空を通過しているところに出くわし、エンジンの音がとてもうるさいと感じたのを覚えている。しかし、現地の子供たちはそのような爆音が聞こえていても、平気で野球をしている風景を見て驚いた。その後、辺野古・瀬嵩の浜へ行き、とても青々とした海に感動し、沖縄らしい景色を見ることができた。その景色は基地作りに反対し続けている人々によって保たれている。私が訪れたときは新基地建設阻止の5093日目だった。米軍に土地を貸すと儲かるという話はまっぴら嘘らしい。民間業者に土地を貸す方が米軍に土地を貸すより4倍も儲けが出る。商業面でも環境面でも米軍は悪影響を及ぼしているという話を聞かされた。その後は安保の見える丘へ行き、嘉手納基地を一望でき、日本政府が米軍のために作ってあげた大きな倉庫や実際に戦闘機が着陸するところを見学できた。広大な土地に滑走路が2本あり、沖縄にこのような平地が存在していることに驚いた。
普天間飛行場 |
辺野古を瀬嵩の濱から見る |
嘉手納基地 |
3日目:最初はとても有名な沖縄県平和祈念資料館・平和の礎を訪問した。平和の礎には、日本人・外国人を合計して約24万人の名前が刻まれている。実際にはもっと多くの犠牲者が出たが、正確には人数把握ができないらしい。それほど多くの犠牲者を出した戦争は恐ろしい。礎には名を持つ前の幼児のことまで刻まれていた。海沿いにある三角錐の建造物は沖縄から世界に平和を発信していくという思いが込められているらしい。多くの人の思いが込められた場所である。祈念資料館は死者の写真や当時の機関銃など多くの遺品が展示されていた。その後の防空壕は住宅街にあり、入ると湿気が多く光がなく独特の雰囲気だった。足場は悪く約3ヶ月間その場所で多くの人が生活をしていたと考えると現在の自分の生活がどれほど恵まれているのか実感できる。電気を消すと暗黒世界で、当時はろうそくやランプなど常時夜のような環境で生活し、寝る場所の隣にはトイレがあるなど1カ所にすべてが凝縮されていた。
平和の礎 |
防空壕 |
沖縄戦跡・基地巡りを終えて
長崎県立大学佐世保校生協 中田 凌
3月28日~30日に沖縄に行き基地巡りや沖縄の戦争の歴史を学んだ。参加して最初に感じたことは参加者の年齢層が私たちよりも少し上だったことである。私たち長崎県立大学生協から学生二人で参加した。その私たちからすると少し場違いな感じがあった。しかし、三日目の空港に向かうバスで各生協一人ずつ感想を求められた。私は沖縄の戦争のことを話そうと考えていたが、若い人ならではの感想を話そうと考えた。私は三日間を通していろいろな場所を見てきたがどこの場所に行っても思ったのが戦争での出来事、恐怖は受け継いでいかなければいけないということを思った。戦争実体験を聞けるのは私たちが最後の世代だというのは十分理解していた。しかし、どのようにしてつたえていけばいいのかわからなかった。すこしわかったことは、伝えていかなければならないことを深く意識せずふつうに平和学習をすることだ。知識が0より1でもあったほうが何かのきっかけがあったときに行動に移したり考えたりすることができる。
私は長崎県出身で長崎の原爆や戦争の歴史については昔から学んできた。今回沖縄の基地巡りの応募があったときに、長崎に住んでいる一人の人間として、沖縄の戦争について学んでみたくなった。長崎の戦争や基地と何が違うのか比較しながら学べた気がする。大学生協では平和小チームと言って平和を組合員に伝えたり学んでもらったりする小チームに入っている。そこで長崎県の平和のことだけではなく、沖縄のことなど私たちが三日間で学んだことも伝えていきたいと考えている。
11月20日(火)10時から開催される県生協大会でお二人の報告をします。
又来年も平和を考える沖縄戦跡・基地巡りを企画いたします。